第14回【レポート編】近畿大学通信教育部の司書レポート例|図書館情報資源特論の合格レポートと書き方・考え方

そかを

1 はじめに

【この記事で分かること】

実際に提出して合格した「図書館情報資源特論」のレポート(一部改変)を紹介します

・「図書館情報資源特論」のレポートを、どのように考え、どのように構成したのかを解説します

こんにちは、そかをです。

30代社会人として働きながら近畿大学通信教育部の司書コースを受講し、2026年3月、2年半かけて司書資格を取得することができました。

振り返ってみると、司書課程で最も苦労したのは、間違いなくレポート作成でした。

近畿大学通信司書コースでは、多くの受講生がレポートで苦戦します。

わたしもその一人でした。

近畿大学図書館司書コースでは、11科目のレポートに合格する必要があります。

しかし、

わたしは約4割(4科目)のレポートが再提出となりました。
提出するたびに「また再提出かもしれない」と不安だったことを、今でも覚えています。
なかでも、児童サービス論は、5回目の提出でようやく合格するという苦労がありました。

そかを
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ですから、司書コースで学習中の方には、レポート作成に関する悩みを抱えている方も少なくないと思います。

・そもそも文章を書くのが苦手だ
・レポートを書いたことがない
・レポートが上手く書けない
・レポートを提出したけれどなかなか合格できない

そこで、本記事では、近畿大学通信教育部司書コース「図書館情報資源特論」の合格レポート(一部改変)を紹介するとともに、レポートで評価されたと考えている考え方や構成のポイントを解説します。

「合格レポート」と「合格にたどり着くまでの思考」が、レポート作成の参考になれば幸いです。

今回は「図書館情報資源特論」のレポートです。

そかを
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レポートの書き方に自信がない方は、まず第10回の記事をご覧ください。
レポートの作成技術を身につけるための「おすすめ本2選」を紹介しています

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2 図書館情報資源特論のレポート設題

図書館司書レポート設題集(2025~2026年度)より

設題(字数指定 2,000字)
地域資料サービスの重要性を具体的な事例を挙げて論じ、さらにデジタルアーカイブ化がその役割にどのように貢献するかをまとめてください。また、未来における地域資料サービスのあり方について、技術革新や社会的課題(例えば高齢化や地域コミュニティなどにどのように対応できるかについても論じてください。

3 図書館情報資源特論の合格レポートと講評

まずは、このレポートを作成する際に意識した点をまとめました。
レポート本文を読む前にご覧いただくと、どのような意図で構成したのかが分かりやすくなります。

【レポートで意識した点】
1「はじめに」では、今回のレポートで使用する言葉(地域資料、地域資料サービス)の定義を行った。

2「地域資料サービスの重要性について」では、地域資料サービスの重要性について概説し、今回のレポートで説明する具体例について説明した。


3「地域資料サービスにおけるデジタルアーカイブ化の貢献」では、デジタルアーカイブの役割や貢献について、地域資料との関連から説明した。


4「未来における地域資料サービスのあり方」では、設題に対応した自分の意見を記載した。

【合格レポート全文】

提出日:2025年8月11日

1地域資料サービスとは

地域資料とは、『地域資料入門』(1)によれば、「当該地域を総合的かつ相対的に把握するための資料群で」、「地域で発生するすべての資料及び地域に関するすべての資料」であると規定されている。

本レポートでもこの定義によるものとし、地域資料を活用して行われる図書館サービスを、地域資料サービスと定義する。

2地域資料サービスの重要性について

2006年に発表された「これからの図書館像」(2)では、第2章2節の「(3) 課題解決支援の充実」において、「これからの図書館には、(中略)地域の課題解決に向けた取組に必要な資料や情報を提供するなど、地域や住民の課題解決を支援する機能の充実が求められる」とし、「課題解決支援機能を充実させるためには、利用者が直面する課題や問題を的確に捉え、市販の図書や雑誌だけでなく地域資料や行政資料等も含め、(中略)収集することが重要である」としている。

このように地域資料は、地域の課題解決に重要であり、各地域の図書館における独自の地域資料のコレクションの形成と活用をもって、その地域の課題に対応したサービスの提供が可能となる。嶋田(3)は「地域資料サービスは、単に郷土資料や行政資料が持つ文化財的な価値や歴史的意義のために行われるのではなく、極めて今日的な視点による将来展望へとつながっているところに、その意義が存在する」と、地域情報サービスの意義を端的に指摘している。

以下では、地域資料サービスの具体例として、「地域資料サービスの展開」(4)を参考に北海道の置戸町立図書館(以下、同館と記載)の事例を紹介する。

同館では、3年ごとに策定される「図書館運営3ヵ年計画」や「置戸町立図書館業務基準・資料収集方針等」、「置戸町立図書館資料の収集・整理・保存要領」に基づき、地域資料サービスを行っている。

同館ならではの地域資料としては、1951年に創刊された地元新聞で置戸町の生活・文化・出来事を記載した「置戸タイムス」や、開町100周年記念事業の一環として編集され、郷土史等の集大成である「語りつぐ歴史と証言」等があげられる。

また、行政関係資料としては、町の予算書、決算書、各種計画書、広報誌等が収載されている。

3地域資料サービスにおけるデジタルアーカイブ化の貢献


デジタルアーカイブとは、「図書館情報資源特論」(5)によれば、図書館に限らず、様々な機関において「資料(情報資源)を文化財としてデジタル化すること」と、「ネットワークを使って情報発信する」という両方の仕組みを含む概念であると説明している。

地域資料をデジタルアーカイブ化することの意義について、例えば次の項目が挙げられる。

1点目は「資料を安全に長期保存できること」である。

オリジナルの資料は、長期間の保存や利用者への提供によって劣化・消失の危険性がある。地域資料をデジタル化し、こうしたリスクに対応することで、オリジナル資料の保存と、利用者への資料の提供を両立することが可能となる。これにより、今を生きる世代の教育や歴史調査等に効率的に利活用されるとともに、より確実に後世に資料を引き継ぐことができる。

2点目は、「インターネットで公開可能であること」である。

公開可能な資料については、その地域内外の利用者がオンラインで閲覧することができる。当該地域についての情報を求める利用者への情報提供はもとより、地域の情報資源を広く世間に情報発信することで、地域の発展に寄与することも期待できる。

4未来における地域資料サービスのあり方

未来における地域資料サービスのあり方について考えることは、自分たちが住む地域を、どのような地域にしていきたいかというビジョンを描き、ビジョンに基づいた施策を講じることと同義であると考える。

現在の日本は、「少子高齢化」や「人口減少」などの社会的課題を抱えている。こうした課題は、地域の担い手不足や、地域経済の脆弱化、地域の魅力低下につながることが懸念される。

そのため、未来における地域資料サービスには、地域づくりに積極的な人材を育成していく役割が求められると考える。

私は〇〇県で就業し〇〇年になるが、〇年ごとに転勤があり、これまで〇〇市、〇〇市、〇〇市で生活してきた。

同じ県でも、地域が違えば、歴史・文化・産業などが異なることを実感するとともに、色々な地域に住んだ経験から、地域にはその地域特有の魅力がある一方、その地域の魅力を住民自身が気付いていないということも感じた。

このことから、地域の発展を考えると住民が地域の歴史や文化等に対する興味・関心を高める必要性を感じた。

地域住民が、自ら学習し、過去から学び、現在の課題を認識し、将来の展望を描けるような地域資料サービスを展開することが重要であると感じた。

そのためには、図書館が単体で施策を進めていくという認識を改め、都道府県や市町村、その他の関係機関等と連携し、図書館と地域住民が一体となって地域資料サービスを構築し、提供していくことで、地域課題への対応が可能となるのではないだろうか。

【参考資料等】
(1)三多摩郷土資料研究会編『地域資料入門』(図書館員選書14)日本図書館協会、1999年

(2)これからの図書館の在り方検討協力者会議『これからの図書館像〜地域を支える情報拠点を目指して〜』平成18年3月

(3)嶋田学「公共図書館における地域資料に関わるサービスの意義と今後の方向について」『図書館界』第71巻6号、2020年

(4)蛭田廣一編『地域資料サービスの展開』日本図書館協会、2021年
(5)竹田芳則著『図書館情報資源特論』近畿大学、令和5年

【合格レポートの講評】

本レポートは公共図書館の地域資料サービスに関する背景、実践例、デジタルアーカイブ化について幅広く取り上げている点を評価します。

4 図書館情報資源特論のレポートで合格するために意識した3つのポイント

①まずは正確な設題理解

わたしは、レポートが合格するためには、丁寧な設題理解こそ最も大切だと考えています。

今回のレポートの設題では、

・地域資料サービスの重要性を具体例を挙げて説明すること
・デジタルアーカイブ化が地域資料サービスの役割にどのように貢献するかをまとめること
・未来における地域資料サービスのあり方について、技術革新や社会的課題にどのように対応できるかについても論じること

が回答に求められている要件だと思います。

今回の設題は具体例の記載が重要になるので、レポートを書く前に、参考資料等を準備しておくことが大切だと思います。

参考資料等をパラパラと眺め、レポートに使えそうな具体例がないかを探していくのがうまいやり方だと思います。

②レポート作成時の留意事項・ポイント

レポートを作成するときに大切なことは、「何を書いて・何を書かないか」です。

文章やレポートを書くことに慣れていないと、よいレポートを書くことよりも、文字数を満たすことが目的になってしまいがちです。

しかし、
大切なことは、「問われたこと(設題)に対して、文章で的確に回答すること」

です。

そこで、わたしは次のようなポイントを一つひとつ確認しながらレポートを書きました。

・「設題に、理解できていない用語はないか」

・「問われていることは何か」

・「外したらいけないポイントはどこか」

・「どの程度の説明をすれば過不足がないだろうか」

・「どんな順番で文章を並べたら、読む人が分かりやすいか」

・「文字数が足りないときは、具体例を入れると分かりやすいのではないか」

・「文字数が多いときは、削れる表現がないか、もっと短い文章で書けないか」

こういったポイントを一つひとつ確認しながら書いていけば、レポートの完成度は確実に上がります。

逆に、こうしたポイントを押さえられていないと、設題から外れたレポートになってしまう可能性があります。

今回のレポートで問われているのは、わたしの言葉で書けば

「地域資料サービスを実践していくうえで、デジタルアーカイブの運用についてどうしたらいいと思っているのか教えて」

です。

したがって、レポートで重点を置くべきポイントは、

「地域資料サービスの重要性と具体例をしっかり論述すること」

そしてそれを踏まえて、

「デジタルアーカイブの運用と今後の運用のあり方について論じること」

です。

図書館員として、地域資料をどのように保存、活用していくのか、デジタルアーカイブという技術をどのように活用していくのか、考えさせられるレポートだと感じました。

③先生が期待するレポートの内容を想定する

今回のレポートは1回で合格することができました。

以下のように、設題を適切に理解できた結果だと考えています。

・地域資料サービスの定義
・地域資料サービスの重要性について具体例を盛り込んだ記述
・地域資料との関係におけるデジタルアーカイブの貢献
・地域資料サービスの未来のあり方


これらをしっかりと意識した上で、レポートを書くことができました。

先生からは、

「本レポートは公共図書館の地域資料サービスに関する背景、実践例、デジタルアーカイブ化について幅広く取り上げている点を評価します。」という講評をいただきました。

「先生が期待するレポートの内容を想定して書くこと」ができたのではないかと思います。

「何を問われているかがしっかり理解できていれば、何を書くかが決まる」

レポートとは、究極的には「設題に正しく答える文章を書くこと」なのかもしれません。

5 まとめ

今回の記事では、近畿大学通信教育部図書館司書コースの「図書館情報資源特論」の合格レポートとレポートを作成するときに考えたことをまとめました。


どのレポートにも共通しますが、まずは設題をしっかり理解することが大切です。

設題をしっかり理解することができれば、なにを書くべきか決まってきます。

その上で、どんな順番で文章を並べるとわかりやすいレポートになるかを考えてみます。

また、当たり前すぎて忘れがちですが、レポートの合格を決めるのは先生です。

したがって、レポートが合格するには、読んでもらう相手(先生)に「このレポートはいいな」と思ってもらうことが必要です。

ですので、文章を書くときには、常に読者(先生)の立場に立ってください。

そして、レポートが書けたら、改めて、読者(先生)の立場で文章を読み直してみてください。

自分が書いた文章を、読者や先生の立場で読み返すことができれば、少しずつですが、いい文章が書けるようになっていきます。

わたしも最初は書けませんでした。

だからこそ、今、わたしは普段から「読者にとって分かりやすい文章を書こう」と思って、文章を書くようになりました。

最初は大変苦労しますが、最近は、少しできるようになってきた気がします。

分かりやすい文章を書くのは、いつになっても難しい作業ですが、上手く書けると嬉しいものです。

レポートを最初から上手く書ける人はいません。
1本ずつ丁寧に仕上げていきましょう!
それに、レポートを書く力は、司書になってからも役立ちます。

そかを
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わたしが遠回りして学んだことが、これから司書を目指す皆さんの近道になれば、とても嬉しいです。

司書資格は、一歩ずつ積み重ねれば、必ずゴールにたどり着けます。

わたしもその経験者です。一緒に1科目ずつ乗り越えていきましょう。

最後に、レポートの作成技術を身につけるための「おすすめ本2選」をこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

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筆者について
そかを
そかを
【司書資格×FP】
【はじめまして、そかをです】
2026年3月 近畿大学の通信教育部で司書資格を取得しました。

このブログでは、「司書として生きるための人生設計」について書きます。

10年余り務めた安定した仕事を辞めて図書館司書を目指すという、自身の歩みをリアルに記録しながら、かつての自分のように「自分の人生を取り戻したい」と願う人に向けて、以下の内容を発信していきます。

【ブログでお伝えすること】
1. 30代・働きながら近畿大学通信教育部で司書資格を取得した実践記&攻略法
2. 専門性のある「かっこいい司書」になるためのトレーニング記録
3. 司書を目指す社会人のための、FP視点の実践的なマネープラン

【わたしのこと】
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
得意なこと:FP知識を活かした資産運用(投資歴6年、約1,200万円の資産形成)
好きなもの:自然、平穏、猫、温泉、散歩、漫画
大切な言葉:「感動は心の扉をひらく」by 椋鳩十
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