第9回【体験談編】近大通信司書コースはきつい?2年半かけて修了した社会人が語る良かったこと・大変だったこと
1 はじめに|2年半かけて、ようやく司書資格を取得しました
こんにちは、そかをです。
30代社会人として働きながら近畿大学通信教育部の司書コースを受講し、2026年3月、2年半かけて司書資格を取得することができました。

「やっと終わった……!」

資格取得が決まったとき、最初に心に浮かんだのは喜びよりも、むしろ深い安堵の気持ちでした。
2年半。長かったです。
レポートを書き、試験を受け、不合格に落ち込み、また勉強する。
振り返ると、平坦な道ではありませんでした。
さて、司書資格を取得しようとする方には、色々な方がいらっしゃると思いますが、共通する悩みがあると思います。
・わたしにも、司書資格がとれるのだろうか?
・通信制の大学で司書を目指すのって、どのくらい難しいんだろう?
・働きながらだと、どれくらいの時間をかければ資格が取れるのかな?
司書資格は「勉強が得意」で「計画的な学習ができ」て「勉強時間が確保でき」さえすれば1年かからずに取得できる資格かもしれません。
しかし、社会人として仕事や家庭を両立しながら学習を続けるのは、決して簡単な道のりではありませんでした。
だからこそ、今こうして「司書資格が取れた喜び」を噛み締めています。

今回は、近大通信司書コースを無事に修了した今だからこそ感じる、リアルな「大変だったこと」と「良かったこと」を、お話ししたいと思います。
2 近大通信司書コースはどのくらい大変だったのか
結論から言うと、社会人として働きながら司書資格を取得するのは「簡単ではない」です。
もし、働きながら司書資格をとろうか迷っている友人から相談を受けたら、わたしはこう回答します。
図書館の職員として働きたいなら、司書資格を取る価値は十分あると思う。
でも、もし司書になる予定が一切ないのなら、他のことに時間を使った方がいいかもしれない。
生涯学習の一環として取るには、少しハードルが高すぎるからね。

というのも、わたし自身が「1年で司書資格を取ろう」と心の中で皮算用していましたが、現実は全く上手くいかなかったからです。
それはなぜだったのでしょうか?
一言で言えば「計画的な学習スケジュールを立てられなかったから」です。
通信制大学には、普通の学校や塾のような時間割がありません。
よく言えば「自由」ですが、悪く言えば「成果が出るかはその人次第」というシビアな環境です。
最初の難所は、自分で自分に合った「無理のない学習スケジュールを立てられるかどうか」でした。
序盤の最重要ポイントは、漠然と過ごすことなく「学習スケジュールを立てることの重要性」にいち早く気が付けるかどうかにかかっています。
急いでもダメです。大切なのは間に合うように始めることです

ゴールから逆算して計画的に物事を処理できる気質の方には、何の問題もない「当たり前」のことかもしれません。
しかし、計画性のないタイプ(当時のわたしを含む)は通信制の自由に油断し、序盤にスケジュールが大きく崩れてしまいがちです。
※計画的なスケジュールの重要性については、記事末のリンク(第5回)もぜひ参考にしてみてください。
3 大変だったこと5選
近大通信司書コースで過ごした2年半を振り返って、特に大変だった壁を5つに整理しました。
大変だったこと①学習スケジュールの作成
さきほどスケジュール作成の重要性を指摘しましたが、これがなかなか奥が深いです。
スイスの心理学者であるカール・ユングは、こんな言葉を残しています。
「ある人に合う靴も、別の人では窮屈である。あらゆるケースに適用する人生の秘訣などない」
司書資格の学習スケジュールも、全く同じことが言えるのではないでしょうか。
「ある人に合うスケジュールも、別の人では過酷である。あらゆるケースに適用する万能な学習スケジュールなどない」
自分の生活スタイルをじっくり見つめて、オリジナルの学習スケジュールを作ること。
そして、そのスケジュールに間に合うように学習時間を捻出し、継続することは、相当なエネルギーが必要で大変な作業でした。
試験の時間は短いです。
日々の自分との戦いこそが全てです。
1日の過ごし方こそが、合否の全てを握っています。

大変だったこと②勉強時間の確保
社会人として働きながら成り立っている、現在の生活スタイル。
そこに司書資格の学習という「新しい負荷」が加わることになります。
わたしは当初、「時間に余力があれば勉強しよう」という考え方をしてしまい、見事に失敗しました。
というのも、現在の生活スタイルは、毎日をなんとか生き抜くために最適化された「習慣」だからです。
習慣のなかに、自然な「余力」というものは基本的に生まれません。
学習習慣は一朝一夕では身に付きません。
物事が身につく順番は、以下のようなサイクルだと気が付きました。
序盤のわたしは、「やる気になるのを待ってから、やってみる」という逆の順番で動こうとして、失敗していました。
大切なことは、「短時間でもいいので、毎日欠かさず学習すること」です。
これはかなり難しい課題ですが、意識のベクトルを「とにかくまずやる」にシフトするだけで、行動のハードルがグッと下がります。
大変だったこと③レポート作成
レポート作成には本当に苦労しました。
司書資格取得のためには、全部で11本のレポートを作成して合格する必要があります。
なかには、合格までに5回も提出を繰り返した科目(児童サービス論)もありました。
レポートを書くなんて大学のとき以来でしたが、当時のわたしはそこまで一生懸命にレポートを書いた記憶がありません(笑)。
学生時代のわたしよ、もっとちゃんと文章の書き方を学んでおいてくれ!

レポートの正しい書き方が分からないうちは、1本を書き上げるのに膨大な時間がかかります。
さらに、合格の基準が掴めないうちは「本当にこれで合っているのだろうか」と、常に不安な気持ちが付きまといました。
正直なところ、レポート作成の技術は入学時点での個人差が大きいです。
仕事で日常的に文章を書く習慣がある方は慣れるのが早いですが、そういった経験がない方は、文章を書くという行為そのものに慣れていく必要があるため、最初はかなり苦労すると思います。
こればかりは経験値がモノを言います。
ですが、逆に言えば、「あきらめずに打席に立ち続ければ、必ず上手くなる世界」です。
【レポートのオススメ図書】
レポート作成の技術を基礎から学びたい方には、木下是雄先生の著書『理科系の作文技術』が圧倒的にオススメです。
わたしもレポートを書くたびに何度も読み返しました。
九州大学の先生方が大学生に読んでほしい100冊をまとめた「九大100冊」にも選ばれている名著です。
これまで関連本を20~30冊は読んできましたが、「一冊だけ残せ」と言われたら間違いなくこの本を選びます。
大変だったこと④オンデマンド試験の2科目同時受講
近大通信司書コースには、動画を視聴して勉強するオンデマンド授業の科目が2科目あります。
そして、この2つの科目が非常に手強いのです。
わたしはスケジュールの遅れから、結果的に追い込まれて2科目同時に受講する羽目になりました。
運よく一発で同時合格できましたが、今思えば奇跡だったと感じています。
オンデマンド授業は他の科目と違い、学習できる時期が以下のように決まっています。
上半期:5月~7月
下半期:11月~翌1月
そして試験を受けられるチャンスは年2回のみ。
試験期間は7月下旬と1月下旬の、それぞれわずか1週間しかありません。
この時期に狙い澄ましたように体調を崩すリスクもありますし、仕事の繁忙期が重なる可能性もあります。
そのため、焦らずに「7月試験で1科目合格、1月試験で残りの1科目合格」と、確実に1科目ずつクリアしていく戦略が、最もストレスが少なく確実です。
もしわたしがもう一度入学するなら、最初の試験で2科目とも一応受けはしますが、「1科目は不合格でもいいから、どんな問題が出るか経験を積もう」と割り切って挑みます。
「もう一方の科目の本番は次の期の試験だ」と考えて、1年かけてじっくり攻めるのが大人の賢い戦い方だと思います。
大変だったこと⑤終末試験のプレッシャー
資格取得のためには、11科目の終末試験を突破する必要があります。
4月と9月を除き、年に10回試験を受けるチャンスが用意されているため、計画的に進めれば毎月1~2科目ずつの合格で十分に間に合います。
ただ、試験は日曜日に行われるため、プライベートの予定との調整が必須になります。
あらかじめ「何月にどの科目を受講するか」を逆算してスケジュールを立てることが大切です。
試験は「〇〇について、あなたの考えを1000文字以上で述べよ」といった、自身の意見を論述する形式が多く出題されます。
これは一見難しく思えますが、司書課程で勉強した知識だけでなく、「これまでのあなたの人生経験や社会人としての視点」が回答に活きる瞬間でもあります。
焦らず、これまでの経験を信じて一生懸命にキーボードを打ち込むのみです。
4 それでも受講して良かったこと5選
これほど大変な思いをしながらも、なぜ最後まで続けられたのか。
それは、壁を乗り越えた先に、「司書になれる」というゴールが待っていたからです。
加えて、素晴らしいメリットが5つ待っていました。
良かったこと① 「最後までやり抜いた」という一生モノの自信
2年半という長い時間がかかりましたが、途中で投げ出さずに司書資格を取得できたという事実は、言葉にできないほどの自信になりました。
「どれほど難しい課題でも、小さく分割して少しずつ前に進めば、必ずゴールにたどり着ける」という成功体験は、これからの人生の大きな心の支えです。
人生における困難は、小さく分割せよ

良かったこと② 「逆算思考」が身につき習慣化した
近大通信司書コースの在学期間は最長2年間と決まっています。
このため、限られた時間の中でいかに修了するかを本気で考え続ける必要がありました。
※2年を超えると最低でも4万円追加費用が掛かりました(在学当時)。
その結果、「目標(ゴール)を決めて、そこから逆算して今日やるべきことに集中する」という逆算思考が自然と身につきました。
これは仕事やブログ運営など、あらゆる場面で役に立っています。
良かったこと③ 毎日の図書館通いが劇的に楽しくなった
司書の専門知識を体系的に学んだことで、図書館の見え方がガラリと変わりました。
図書館ごとに異なるサービスの工夫、蔵書の構成、職員の方の動きなど、観察しているだけで新しい発見があり、とてもワクワクします。
また、OPAC(蔵書検索システム)を活用して自宅から本を予約し、カウンターでサッと受け取るスマートな使い方も日常生活に定着し、忙しい日々の心強い味方になっています。
良かったこと④ 知りたい「情報」の探し方が上手くなった
受講前のわたしにとって、図書館は単に「本がたくさん置いてある場所」でした。
しかし今では、本を借りるだけでなく「情報を調べるための心強い拠点」へと認識が変わりました。
地域の温泉の歴史を深く調べてみたり、新聞記事の書評欄を過去に遡って楽しんだりと、自分の世界を広げるリサーチ力が格段にアップしました。
良かったこと⑤ 本の本質を見抜く「読み方」が身についた
「本は、不完全な人間が作っているものだ」という客観的な視点が持てるようになりました。
どれほど立派な本でも、時には誤りがあるかもしれない。
100ページある本でも、本当に大切なエッセンスは5ページほどかもしれない。
逆に、わずか40ページの本が人生を大きく変えることもある。
情報を鵜呑みにすることなく、もっと本質的な著者の人間性と対話をするように本を読む姿勢が身についたことで、自分にとって本当に必要な本を自然と見分けられるようになりました。
5 司書資格を取得して感じたこと
無事に修了して、「わたしもついに司書になったんだな」という実感が静かに湧いています。
とはいえ、今すぐに図書館でバリバリと働けるようになるわけではありませんし、周囲が驚くような読書家というわけでもありません。
しかし、本を作る人の熱い思い、図書館が果たしてきた歴史や役割、そして社会における必要性について、図書館に携わる一人の人間として、最低限必要な知識を得ることができたと確信しています。
「図書館という素晴らしい世界の入り口に、ようやく自分の足で立つことができた」
今のわたしは、そんな心地よい達成感に包まれています。
6 これから近大通信で司書を目指す方へ
もし今、受講しようか悩んでいる方がいるなら、わたしは「前向きに検討してみては!」とオススメしたいです。
ひとまず、気になる通信制大学の資料を請求してみてはいかがでしょうか。
ネットでも同じ情報は手に入るかもしれませんがが、パンフレットを読むとグッとイメージが湧いてきます。
あなたが「司書になりたい」「図書館のことを学んでみたい」と思ったその大切な気持ちは、日々の忙しさの中で一時的に忘れることはあっても、心の中から消えてなくなることは決してありません。
【心に留めておいてほしい言葉】
人生には思うようにならないこともあります。
それでも、「やってみたい」と思う気持ちまで、最初から諦めなくてもいいのではないか。
わたしは、そう思っています。
いつ挑戦するかはあなた次第ですが、その想いは思ったよりも深く、あなたの心に根付いているものですよ。
7 おわりに|今が一番大事な時だ。もう一歩!
司書資格を取ったからといって、急に人生が変わるわけではありません。
昨日と同じ朝が来て、同じようにいつもの日常が始まります。
それでも、本を読む時間やお気に入りの図書館で過ごす時間は、受講前よりも確実に豊かで愛しいものになったような気がします。
そして、わたしが2年半かけて遠回りしながら、時に転びながら歩んできたこの泥臭い足跡は、これから同じ道を歩もうとしている「誰か」の役に立つかもしれないと信じています。
通信の学習は大変です。でも、一歩ずつ進めば、きっと大丈夫ですよ

そんな温かい確信を胸に、司書になったわたしは今日も、新しい一歩を踏み出しています。





